2018年11月20日 火曜日 【スタッフブログ】

健康について

医療法人社団明徳会 はしもと内科

医師の脇田 賢治です。

 

皆さんにとって健康とは何でしょうか?

私が医学生の頃、糖尿病、高血圧など病気のことは沢山勉強しましたが、

健康についての講義はありませんでした。

仮に、病気でないことが健康だとすると、物忘れ、不眠、便秘、虫歯、腰痛など、

年を取るとほとんどの人が健康でないことになってしまいます。

 

しかし、医学的な狭い視点ではなく、広く人生的に見てみると、

健康にとって大切なことは、人生にやりがいを持つ、日々の心のゆとり、

毎日が楽しいこと、よい人間関係など、もっと広いものが見えてきます。

また、一般論ではなく、みなさん個人の場合はどうでしょうか?

今の自分にとって健康に必要なことは、

食事、運動、睡眠、ストレス対処など人によって違うことがわかります。

私は、健康な状態とは、病気という医学的な視点のみではなく、

家族、趣味、仕事勉強、生きがい、こころのゆとり、仲間との繋がりなど、

元気である状態も重要と考えています。

 

つまり、私の考える健康とは、病気+元気の合計がプラスの状態ということです。

そうなると、透析を受けている人でも、仕事をこなして、ゴルフにも行ける人、

認知症があっても、家族と一緒に毎日楽しく暮らしている人は、

病気はあっても元気な状態が勝っており、私の考える健康な状態と思われます。

つまり病気や障害を抱えていても健康な状態になれるということなのです。

私は、一人の患者様を病人という医療的色眼鏡で見るのではなく、

一人の人として見ようとしています。

そうすることで、病気以外の様々な面が自然に見えてきます。

 

家族、友人、仕事などの人間関係、生きがい、心のゆとり、人生の楽しみ、

社会貢献など、人にはそれぞれの存在値価があります。

患者様のこうした存在価値を自覚してもらい、生きる喜びを見つけられるよう、

一緒に考えることが、かかりつけ医の役割と思っております。