こんにちは、
はしもと内科医師 脇田です。
今回は、国立がんセンターの
「(科学的根拠に基づいた『日本人のためのがん予防法』」
の続きについてご紹介します。
まだ、科学的根拠に基づいた
を読まれていない方は、是非こちらからお読みください。
④バランスのよい食事
これまでの研究から、
「塩分のとりすぎ」「野菜や果物をとらない」
「熱すぎる飲み物や食べ物をとること」が、
がんの原因になるということが明らかになっています。
このことから、塩分を抑え、野菜と果物を食べ、
熱い飲み物や食べ物は少し冷ましてからとるという
3つのポイントを守ることで、日本人に多い胃がんのリスクや、
食道がん、食道炎のリスクが低くなります。
1)減塩する
調査から、食塩摂取量の多い男性のグループでは
胃がんのリスクが高いことがわかっています。
また、いくら、塩辛などの塩分濃度の高い食べ物をとる人は
男女ともに胃がんのリスクが高いという結果も報告されています。
食塩摂取量の目安
日本人の食事摂取基準では、1日あたりの食塩摂取量を
男性は8.0g未満、女性は7.0g未満にすることを推奨しています。
2)野菜と果物をとる
野菜と果物の摂取が少ないグループでは、
がんのリスクが高いことが示されていますので、
いろいろな野菜や果物をバランスよく食べるようにしてください。
野菜と果物の摂取について
厚生労働省策定「健康日本21」では、1日あたり野菜を
350gとることを目標としています。果物もあわせた目安としては、
野菜を小鉢で5皿分と果物1皿分を毎日食べる心がけで、400g程度になります。
3)熱い飲み物や食べ物は冷ましてから
飲み物や食べ物を熱いままとると、
食道がんと食道炎のリスクが高くなるという報告が数多くあります。
飲み物や食べ物が熱い場合は、
少し冷まし、口の中や食道の粘膜を傷つけないようにしましょう。
⑤運動
国立がん研究センターの研究報告によると、
男女とも、運動する人ほど、がんになるリスクが低下していました。
特に、高齢者や、休日などにスポーツや運動をする機会が多い人では、
よりはっきりとリスクの低下がみられました。
がんの部位別では、男性では、結腸がん、肝がん、膵がん、
女性では胃がんにおいて、運動する人ほど、リスクが低下しました。
2)推奨される運動量
厚生労働省は、「健康づくりのための身体活動基準2013」の中で、
18歳から64歳の人の運動について、
“歩行またはそれと同等以上の強度の運動を毎日60分行うこと”、
それに加え、“息がはずみ、汗をかく程度の運動を
毎週60分程度行うこと”を推奨しています。
同様に、65歳以上の高齢者については、
“強度を問わず、運動を毎日40分行うこと”を推奨しています。
また、すべての世代に共通で、“現在の運動を少しでも増やすこと”、
“運動習慣をもつようにすること”が推奨されています。
⑥適正体重を維持する
男性の場合、肥満度の指標である
BMI(※4)値21.0~26.9でがんのリスクが低く、
女性は21.0~24.9で死亡のリスクが低いことが示されました。
BMI:Body Mass Index 肥満度を表す指標です。
値が高くなるほど、肥満度が高いことを表します。
BMI値=(体重kg)/(身長m)2 1)太りすぎ痩せすぎに注意
中高年の日本人を対象に行われた研究報告によると、
がんによる死亡のリスクと、総死亡(すべての原因による死亡)のリスクは、
男女とも、太りすぎでも痩せすぎでも高くなることがわかりました。
がんの死亡リスクに関しては、
男性では肥満よりも痩せている人のほうが高くなりました。
女性においては、がんによる死亡リスクは
BMI値30.0~39.9(肥満)で25%高くなりました。
特に閉経後は肥満が乳がんのリスクになることが報告されていますので、
太りすぎに注意しましょう。
健康全体のことを考えると、
男性はBMI値21~27、女性は21~25の範囲になるように
体重を管理するのがよいようです。
はしもと内科に隣接するフィットネスセンターは、
健康増進、病気の予防・改善、体力づくり、理学療法などを目的として、
医学的な要素を取り入れたメディカルフィットネスセンターです。
理学療法士、各種インストラクターが常駐しており、アスリート、一般、
生活習慣病予防、医療、介護予防など幅広い方が対象です。
がんの予防、心身の健康のために楽しく、
はしもと内科で運動を始めてみませんか?
**********************************************
医療法人社団明徳会 はしもと内科
総合内科専門医・神経内科専門医
医師 脇田 賢治(医学博士、予備自衛官 予備3佐)
************************************************