はしもと内科医師 脇田です。
受験生の中には、睡眠時間を削って
一生懸命勉強をしている人がいるかも知れません。
そもそも、勉強するとは、
勉強時間の長さを指すのではなく、
一ヶ月後や半年後の試験日に記憶した
内容が定着していることです。
それでは、記憶を定着させるためには、
睡眠時間を削って勉強してもよいのでしょうか?
人は、睡眠中に夢を見ます。
なぜ、夢を見る理由は、いろいろな説がありますが、
記憶の整理、定着が行われている説が有力です。
ハーバード大学スティックゴールド博士によると、
何か新しい知識や技法を身につけるためには、
覚えたその日に6時間以上眠ることが必要です。
徹夜で詰め込んだ記憶は、
長期記憶として側頭葉に刻み込まれることなく、
早ければ翌日、長くても2、3日のうちに消えてしまいます。
6時間以上の十分な睡眠をとることにより、
その日に新たに覚えた記憶は整理整頓され、
脳の中の収まるべき場所に収まり、長く定着します。
さらに、何かを記憶したり暗記したりする場合、
最も効果的な時間帯があります。
それは「寝る前15分」です。
脳に覚えたい情報を記憶してすぐに眠る。
そうすると、睡眠中は余計な情報が脳に入らないため、
覚えたい情報が、効率的に記憶されるのです。
しかし、折角、勉強しても寝る前に
テレビ、スマホ、ゲームをしている人が多いかもしれません。
寝る前に種々雑多の情報を脳に入れてしまうと、
情報同士がぶつかりあって脳が混乱します。
これでは、勉強しても、記憶した情報が
グチャグチャな状態になってしまうので、
最低の寝る前の過ごし方となってしまいます。
寝る前15分に重要なポイントを見直したり、
記憶、暗記の時間に充てる。
そして、そのまま6時間以上睡眠することで、
記憶力は最大化します。
6時間以上の睡眠は最高の記憶術といえるのです。
はしもと内科では、学生さんの受験うつ、
イライラ、気分の落ち込み等のお悩みにも、
医学的、専門的アドバイスを行いますので、ご気軽に受診ください。
参考文献
連載 睡眠の都市伝説を斬る ナショナルジオグラフィック日本版 三島和男
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医療法人社団明徳会 はしもと内科
総合内科専門医・神経内科専門医
医師 脇田 賢治(医学博士、予備自衛官 予備3佐)
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