こんにちは、はしもと内科医師の脇田です。

 

今回は、国立がんセンターの「科学的根拠に基づいた『日本人のためのがん予防法』」

についてご紹介します。 はじめに、日本人の2人に1人が、一生のうち一度はがんになるという

データがあります。

 

また、日本人のがんの中で、原因が生活習慣や感染であると思われる割合は、

男性で53.3%、女性の場合27.8%です。

 

そこで、日本人のがんの予防にとって重要な生活習慣として、

「禁煙」「節酒」「バランスのよい食事」「運動」「適正体重」と「感染症」の

6つの要因を取りあげました。

 

実際に、「禁煙」、「節酒」、「食生活」、「運動」、「適正体重」の5つの生活習慣に

関して、40歳から69歳の男女、総計14万 人を対象に、5つの健康習慣を実践する人は、

0または1つを実践する人に比べ、男性で43%、女性で37%がんになるリスクが低くなるという

結果が認められました。

 

①禁煙  日本人を対象とした研究の結果から、たばこは肺がんをはじめ食道がん、膵臓がん、

胃がん、大腸がん、膀胱がん、乳がんなど多くのがんに関連することが示されました。

たばこを吸う人は吸わない人に比べて、がんになるリスクが約1.5倍高まることもわかって

います。 また、受動喫煙でも肺がん(特に腺がんタイプ)や乳がんのリスクは高くなります。

たばこは吸う本人のみならず、周囲の人の健康も損ねます。

 

はしもと内科では禁煙外来がありますので、タバコを吸っている方は是非受診お願いします。

 

②感染症  実は、感染症は、日本人のがんの原因の約20%を占めます。 感染症としては、

B型やC型の肝炎ウイルスによる肝がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)による子宮頸がん、

ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)による胃がんなどがあります。

他には、エプスタインバーウイルス(EBV)による悪性リンパ腫や鼻咽頭がん、

ヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型(HTLV-1)による成人T細胞白血病/リンパ腫などがあります。

感染症が胃がんや肝がん等の原因になることは、ご存知なかった方も多いとおもいますので、

心配なことがありましたら、是非、はしもと内科に御相談ください。

 

③節酒  すでに多量の飲酒でがんのリスクが高くなることが明らかとなっています。

1日あたりの平均アルコール摂取量が、純エタノール量で23g未満の人に比べ、

46g以上の場合で40%程度、69g以上で60%程度、がんになるリスクが高くなります。

特に飲酒は食道がん、大腸がんと強い関連があり、女性では、乳がんのリスクが高くなることが

示されています。女性のほうが男性よりも体質的に飲酒の影響を受けやすく、より少ない量で

がんになるリスクが高くなるという報告もあります。

飲む場合は純エタノール量換算で1日あたり約23g程度までとし、飲まない人、飲めない人は

無理に飲まないようにしましょう。

飲酒量の目安(1日あたり純エタノール量換算で23g程度) 毎日飲む人は以下のいずれかの

量までにとどめましょう。

 

●日本酒 … 1合

●ビール大瓶(633ml) … 1本

●焼酎・泡盛 … 原液で1合の2/3

●ウィスキー・ブランデー … ダブル1杯

●ワイン … ボトル1/3程度

 

次回、科学的根拠に基づいた「日本人のためのがん予防法」②では

④バランスのよい食事、⑤運動、⑥適正体重に関してご説明します。

はしもと内科では、全身を総合的に診る、総合内科専門医が診療しております。

 

がんに関するどんな事でも、対応可能ですので、ご相談ください。

 

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医療法人社団明徳会 はしもと内科

総合内科専門医・神経内科専門医

医師 脇田 賢治(医学博士、予備自衛官 予備3佐)

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